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寺脇先生の教育論≪寺脇研先生の教育論≫【第42回】「モンスターペアレント」という概念

 近年,「モンスターペアレント」という言葉がよく使われています。親がわが子のことを思い必死になるのは
無理からぬこと。その際、思い余って度の過ぎた言動や行動に出る場面があるのも仕方がないところもあります。
 一方、社会常識に欠けるクレームがあることも確かです。でもそれは学校現場に限ったことでしょうか。社会の
あらゆる場所で自分勝手で理不尽な要求を言い立てる人が増えています。鉄道会社の駅職員が文句をつける利用客
に殴られる事件が急増しているとも聞きます。他にもいろいろあるでしょう。
 それを、メディアは「モンスターペアレント」と全部一緒くたにして騒ぎ立てているように感じます。非常識な
クレームの問題は、学校だけのものではないでしょう。そして、それを批判されても当事者の考えが改まることは
稀です。なにしろ社会常識がないのですから。結局、わが子のことを思い学校に対して意見や提案をする親たちが、
行き過ぎた面を咎められて「モンスターペアレント」呼ばわりされることになっているのです。
  
 意見や提案をする方法については考慮が必要でしょうが、親が学校に対してものを言うこと自体は尊重されなけれ
ばならないと考えています。そうでなければ、コミュニティ・スクールはおろか、健全なPTA活動すらおぼつかない
状態となるでしょう。21世紀の学校は、親や地域住民をシャットアウトして公務員である教員だけで運営するので
なく、「開かれた学校」として皆でいいものにしていくのが本筋です。
 どんな組織でもそうであるように、意見の違い、立場の違い、言葉の行き違い、情報共有の失敗…といった齟齬は
必ず生じます。学校もそのひとつの場であるという認識に立って、教員、親、地域住民がコミュニケーションを成立
させていってこそ、真の組織として自立できるのではないでしょうか。公務員任せで独断的に運営され、親や地域住
民は「泣き寝入り」する状況は過去のものでなければなりません。まして「子どもを人質に取られている」などとい
う考え方は完全に払拭されるべきです。