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国際バカロレアの導入を促す手引きを文部科学省が作成しました

10月15日付日本経済新聞朝刊にて,「国際バカロレア」の高校への導入を促そうと,文部科学省が高校や自治体向けに認定までの流れや導入利点を詳しく記した手引き書を作成したという記事が掲載されていました。(以下,記事抜粋)

【国際バカロレア】
国際バカロレア機構(本部スイス)が提供する国際的教育プログラム。子供の年齢に応じて4種類ある。16~19歳向けプログラムは「言語と文学」「数学」「芸術」などの6科目のほか,個人研究に基づく論文,知の理論,奉仕活動などのカリキュラムを2年間で履修する。最終試験に合格すると世界2000校以上の大学への入学資格や受験資格が得られる。

【概要】
*文科省が作成したのは,国際バカロレアの4段階のうち16歳~19歳向けのプログラムの手引書。国際バカロレアの理念,履修科目やその内容,教員確保の方法,学校側の費用などを説明している。
*政府は2018年までに同プログラムの「認定校」を200校に増やす目標を掲げているが9月時点では26校にとどまる。
*認定校となるまでには「関心校」,「候補校」という段階があり,来年4月に関心校として機構に資料提出した場合,順調にいけば18年秋に授業開始できるモデルケースが手引書で示されている。

【課題】
*すでに導入している高校では希望者だけコースを分けて受講させることが多い。ただ,結果的に海外大学に進学しない生徒もおり,保護者からは「日本の大学への進学には必要ない科目を履修して悪影響が出るのでは」と不安の声がある。
→国際バカロレアの普及に向け,文科省はすでに学校教育法施行規則などを改正し,同プログラムの履修科目を日本の学校卒業に必要な単位に置き換えられるようにした。(2015年8月より最大36単位に上限を拡大)
→筑波大,大阪大,上智大など55校が国際バカロレアを活用した入試を実施しており,約70校が「予定がある」「検討している」と回答するなど国内の大学進学にも利点がある(巻末資料に国際バカロレアを活用した大学入試の調査結果を集録)

バカロレア普及へ初の手引書 文科省,高校・自治体後押し(日本経済新聞)

*国際バカロレア認定のための手引き(文部科学省HPより)
はじめに~第4章(PDFへのリンク)
第5章~巻末資料(PDFへのリンク)

手引きを読んで,国際バカロレアを導入するには多くの時間と費用がかかるだけでなく,専門教員(国際バカロレア教員)養成も必要であることが分かりました。国際バカロレア教員として認定されるには,国際バカロレア機構が主催する原則3日間のワークショップに参加することが必要とされます。国際バカロレア教員はTeacher(教える者)というよりFacilitator(促す者)と表現され,単に教壇から知識を伝達するのではなく,生徒間の議論を促し,アイディアを引き出すことが求められるそうです。
子どもたちの課題の発見や解決に向けた主体的・能動的な学びが求められるなかで,国際バカロレアのカリキュラムや教員のあり方について参考にできることも多そうです