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寺脇先生の教育論≪寺脇研先生の教育論≫【第34回】専門教育の適正配置をどう実現するか

わたしは常々「教育」から「学習」へ、を唱えて学習者主権を主張しています。

主導権は学ぶ側にあり、教育する側の思い通りに教育システムを運用することには反対です。

しかし、それは専門職の計画養成のような数量配置を必要とする場合までかたくなに拒否するものではありません。

社会にとって必要な専門的職種については、学習者に対し一定の「教育を受けられる枠」を提供して社会の需要に応えることは、教育行政の行うべき仕事だと考えています。

具体的にいえば、社会に医療職がどれだけの数必要かを算定して、それを満たすだけの医療職専門教育ができる枠を用意する必要があるということです。

もちろん、だからといってその枠の分だけ教育を受けることを強要するわけにはいきません。あくまで学習する側がそれを自分の意思で選び取るのが前提です。

 

医療専門職・技術を学習したいと思う人が必要より少なければ仕方がなく、その枠を外国人留学生に提供するとか外国人医療職を受け入れるなどの手段で確保するしかないでしょう。

しかし、フィリピンやインドネシアから介護、看護の人材を受け入れる事業も、免許を取得しやすくなる改善が図られたにもかかわらず、なかなか定着していないのが現状です。

異文化理解を進めたり外国人差別をなくしたりするなど、もっと大きな視野で外国人が働きたくなるような環境を整備しないと、外国からの人材供給は望めないと思います。

今後、日本の医療専門要請の豊かなインフラを活用して、アジア規模で専門職養成・確保に貢献し、アジア諸国、特に医療に恵まれない国々からの信頼獲得に結びつけることができればと願っています。

また一方で、総合的な学習の時間などで実社会に触れる機会が増えた効果と思われますが、日本の若者が介護、福祉、看護といった仕事に積極的に目を向けているのを最近特に実感しています。

この若者の志向に応えるような養成策、さらにはその仕事で十分な収入が得られるような待遇改善が今後の課題となるでしょう。