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「いじめに対する基礎知識」を国立教育政策研究所が作成・公開しました

平成27年7月に発生した中学2年生男子生徒の自殺をうけ,国立教育政策研究所はこのような事件を防ぐためには新たな政策を追加するより,「学校いじめ防止基本方針」をきちんと機能させていくことが大切であるという考えを示しました。いじめに対する正しい知識や教職員に期待されている適切な行動等について,改めて浸透させることを目的に,同研究所はリーフレット「いじめに備える基礎知識」を作成しました。
また学校やPTA向けの研修会向けに「いじめに関する研修ツール」として,自己点検シートや解説の他,担当者向けの研修実施要綱や参加者アンケートをあわせて公開しています。参加者が各自のいじめ認識を点検するともに,小グループでの話し合いを行うことで学校全体の認識を共有できるようになっています。

以下,「いじめに対する基礎知識」(国立教育政策研究所)より抜粋。

2.いじめの発生実態~いじめの特徴を正しく知る~より
*「暴力を伴わないいじめ」と「暴力を伴ういじめ」という形での区別が提案されている
*「暴力を伴わないいじめ」(仲間はずれ・無視・陰口など)の場合,小学4年生からの6年近くで9割近くが被害経験を持っている。また加害経験もほとんど同じ傾向であり,どの子どもにも起こりうる。
*「暴力を伴ういじめ」(ひどくぶつかる・叩く・蹴るなど)の場合,小学4年生からの6年近くで被害経験を持っているのは6割強,加害経験は4割強。しかもそれらの半分は1回か2回の経験にとどまる。6回以上の経験は,ごく一部(1割前後)の子どもに限られる。

3.いじめの未然防止~いじめを起きにくくする~より
*身体的な健康を中心にした,主に家庭で取り組むべき課題は「早寝,早起き,朝ごはん」
*いじめに向かわせない,主に学校で取り組むべき課題は「規律・学力・自己有用感」
*学校や学級が”居場所“となり”絆づくり”の場となるようにするため求められるのは,まずは授業改善。「分かる授業」を進めることや,間違った答えを言っても笑われたり叱られたりしない雰囲気をつくること。

「深刻ないじめは,どの学校にも,どのクラスにも,どの子どもにも起こりうる」という1996年1月に出された文部大臣の緊急アピールが大げさな比喩表現ではないことを改めて受け止めるとともに,児童・生徒が主体的に学ぶ「学習する空間」をつくることで学校や学級が”居場所“となれば,いじめの防止にも有用なのだと感じました。

※参考:国立教育政策研究所公開,生徒指導支援資料