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寺脇先生の教育論≪寺脇研先生の教育論≫【第27回】「マイホームパパ」より「マイホビーパパ」

「家族サービス」というのは,ちょっと嫌な言葉だと,私は思っています。
あの「サービス」という言葉の裏には,自分は楽しくないけれど,妻や子どものために仕方なく,というニュアンスが
隠れていませんでしょうか。そんな自己犠牲的な「マイホームパパ」だったら,仕事人間のほうがまだましだとすら思
います。

 

私が提唱したいのは「マイホームパパ」ではなく,「マイホビーパパ」。
「マイホビーパパ」は,自分の好きなことをもっているお父さんのことです。好きなことがあれば,それを通じて自然に
子どもとの接点が作れます。

子どもにお父さんの趣味の話をします。野球でもゴルフでも将棋でも。自分が夢中になっていることの話をし,できれば
子どもと一緒に楽しんでみましょう。自分も楽しい,子どもも楽しい,それが最高です。無理して子どもの相手をするより,
そうやって一緒に楽しむ時間を作っていけばいいのです。

これは,お母さんにも同じことです。子どもの人生の中心に自分をおかず,自分の人生を優先させる。自分の生きがいを
見つけてください。そのほうが子どもとの関係が良好になるばかりか,子どもが独立して巣立っていった後も,楽しく生きて
いけます。
趣味がある人はボケる率も寝たきりになる率も低いといわれています。生きがいを見つける,そうそれば人間はいつからでも
変わることができるのです。

 

人間は,同じ職場や同じ職業,あるいは家庭の中など,ひとつの世界にどっぷりはまっていると,見方が画一的になってしまいがちです。自分の属する世界の見方しかできなくなってしまうのです。しかし,ひとつでも好きなことが見つかれば,それを通じて違う世界の人と交流できるようになります。そうすると,自分の
中に,別の自分が生まれてくる。これまでとは違った別の見方ができる自分……。そのときになって初めて,自分がひとつの
尺度で物事を測っていたことに気がつくのです。
逆にいうと,人は別の自分に出会わないと,自分が単一のものの見方しかできていないことに気がつかないのです。
それぞれに認め合って自信をもって生きていくことができれば,きっとおおらかで明るい社会になるのではないでしょうか。