教育関連記事
寺脇先生の教育論≪寺脇研先生の教育論≫【第24回】モンスターペアレントといわせないために

近年,「モンスターペアレント」という言葉がよく使われています。だれが言い始めたのか知りませんが,とんでもない言葉だと思います。

たしかに,なかには学校で理不尽で異様なクレームをつける保護者もいるでしょう。保護者が無理難題を言ってくるといいますが,実際に深刻な問題が生じているのに教師が問題を理解できないがために,あるいは問題を見過ごしているために,保護者の当然の要求を無理難題と捉えているかもしれません。それを「モンスターペアレント」というような言い方で,「この頃は保護者が変だ」と一般化するのは,とんでもない話だと,私は思います。

 

今,PTA活動がだんだん元気をなくしてきています。これまでPTA活動にはたしかにいろいろ問題もありましたが,学校と家庭を結ぶ一定の役割を果たしてきたのは事実です。実はPTA活動の衰退が「モンスターペアレト」を生んだという見方もできます。

つまり,これまではPTAという場をとおして保護者と教師が日常的な関係を結んできたわけですが,PTAの退潮でそういう関係の前提がないところに,保護者が教師に理不尽な要求をするから,両者にとって難しいことになるケースがあるのではないでしょうか。

保護者が学校に要求をいうことは当然で,必要があればクレームをつけるのも当然です。PTA活動を通じて保護者と学校との関係ができていれば,具体的に教師とも顔を合わせていて,コミュニケーションもはかられているでしょうから,それほど警戒されることはないでしょう。それがいきなり学校を訪問するということになると,教師たちも身構えて,「モンスターペアレント」といった話になってしまうのです。

 

以前は,「PTAに入ると,色々手伝いを頼まれる。草むしりやプール当番に駆りだされる」という理由で参加を避けていた保護者もいました。たしかにメリットがなくて,デメリットだけなら,誰もPTAに参加しようとは思いません。

しかし,今は学校に要求ができる時代です。そして学校に何らかの要求をする場合,一番有効なのは今でもPTAをとおしての要求なのです。だとすれば,PTAのメリットをみんなが再認識して,大いに参加していくべきではないでしょうか。