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高校3年生の英語力~「話すこと」「書くこと」の発信技能はより問題が深刻

文部科学省より,高校3年生を対象にした英語力調査の結果が526日に公表されました。国が学習指導要領に基づき,英語4技能(聞くこと,話すこと,読むこと,書くこと)を総合的に測るテストの仕様を作成し,初めて民間資格・検定試験団体との協働による「フィージビリティ調査」として実施されました。英語の学習状況を調査・分析し,これまでの英語教育の成果と課題が検証されました。

以下「英語力調査結果の概要」・「英語力調査結果の概要(詳細版)」より抜粋(文部科学省HP 2015.5.26公開)

*「英語力調査結果の概要」

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/05/26/1358071_01_2.pdf

*「英語力調査結果の概要(詳細版)」

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/05/26/1358071_02_2.pdf

 

【結果の概要】※「英語力調査結果の概要」より抜粋

・日本の高校3年生の英語力は4技能において課題があり,特に「話すこと」「書くこと」の発信技能についてはより問題が深刻である。

・生徒の英語に対する意識について,英語が好きではないとの回答が半数を上回る。特に最も多くの生徒が含まれるCEER(ヨーロッパ言語共通参照枠)のA1レベルにおいてこの傾向が顕著だった。

・現在の英語レベルによって将来の英語使用のイメージが異なる。テストスコアが高いほど,「英語を使って国際社会で活躍できるようになりたい」「大学で自分が専攻する学問を学べるようになりたい」といった将来の英語使用のイメージが明確な生徒の割合が高い。

 

【各技能の傾向】※「英語力調査結果の概要(詳細版) 終章 <改善へのポイント>」より抜粋

・リーディング・・・生徒はどのような英文を読む場合も「すべての内容を正しく理解する」ことを目的として学習してきた傾向が強い。まとまりのある英文をすばやく読んで概要をつかむなど,実際の英語使用において頻繁に行われる読み方をすることが重要である。

・リスニング・・・聞き取る英文に出てくる表現とは別の表現が設問で使われていると,関連付けが困難になる状況が見られる。英語の授業を英語で実施し,教員が教科書中の英語や生徒の発話内容を他の表現で言い換えることなどを積極的に行うことが必要である。

・ライティング…英文を書く経験が不足している生徒が多いため,まず平易な英文を読み,概要・要点や内容に対する感想や意見などを,1文レベルでも書く活動を日常的に行う必要がある。

・スピーキング・・・スピーキングを独立した技能として扱うのではなく,効いたり読んだりした内容をまとめ,それに対する考えを書き,それらをもとに発表や対話を行う経験をさせることが重要である。

・総括・・・2つ以上の技能を統合的に使うことに慣れていない生徒が多いので,複数の技能を統合して使う活動を通して4技能を統合的に育成する必要がある。生徒が主体的に考えを話したり書いたりして人に伝えることを最終的な目的とした指導が望ましい。スピーチ,プレゼンテーション,ディベート,ディスカッションなどの言語活動を通して自ら課題を発見し,生徒が主体性を持って他者と協働し,思考力・判断力・表現力等を身につける学習・指導方法(アクティブ・ラーニング)を充実させることが求められる。