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寺脇先生の教育論≪寺脇研先生の教育論≫【第16回】「50年生きる日本人」から「100年生きる地球人」を育てる教育,「生涯学習」へ

長寿化で人生が3サイクルになってきたのと同時に、日本という枠を超え、地球人として

生きていかねばならないという、未曽有の転換点に私たちは立たされています。

これから必要とされているのは、「50年生きる日本人」ではなく、「100年生きる地球人」を

育てる教育なのです。

 

日本における教育制度の大改革は、これまで2度ありました。いずれも日本という国そのものが

大きく変わる節目で行われました。社会の改革が、教育の改革をもたらしたのです。

1度目は明治維新の直後。明治の教育改革で、日本が近代国家に生まれ変わったとき。

明治5年に学制が敷かれ日本に学校という制度が導入されました。

2度目は太平洋戦争に敗れ、昭和の教育改革で日本が民主主義国家として再出発したとき。

新制中学と新制高校、そして新制大学ができました。

 

そして3度目の大改革の時が今なのです。

平均寿命が格段に長くなり、活動の領域も圧倒的に広がった時代をそれぞれの日本人が迎えています。

人類全体が人類誕生以降、常に右肩上がりで豊かになり続けていた歴史から、初めて豊かさの限界を

迎えています。緩やかに後退する覚悟をしなければならないところにさしかかっていると言えるでしょう。

その、まさに数万年ぶりの大改革に対応し得る日本人を育てるためには、教育全体を見直さなければ

ならないのです。

 

私は、そのための基本理念が「生涯学習」にあると考えています。

日本人として日本の枠内で生きていくのではなく、地球規模の生きる力を備えること、そういった視点を

子どもたちにもたせられるか。

それがこれからの1番のテーマではないでしょうか。

 

たとえば食料問題。

地球全体の胃袋を満たすために、食料をどう増産していくか。それができなけば食料をめぐって

戦争が起こります。そうならないために、農業の集約性を高めて食料を増産しなければならない。

農地をつくるためには、ダムも必要。電気を引いたり井戸を掘ったりすることも必要です。


日本だけが経済的繁栄を誇ればいい、日本だけが食べ物を余らせて捨ててしまえばいい、ということは

もはや許されない時代なのです。