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寺脇先生の教育論≪寺脇研先生の教育論≫【第14回】子どもたちの「理科離れ」は、本当なのか

まず本当に子どもたちは「理科離れ」しているのでしょうか。

 

たとえば、かつて工業高校には、普通高校に行きたいけれども偏差値が足りない子どもたちが心ならずも進学するというケースがありましたが、偏差値による輪切りをやめて以来、自ら「ものづくりがしたい」という意思を持った子どもたちが通うようになり、彼らの学習意識は驚くほど高まっています。

受験的な知識ばかりを詰め込む「受験理科」や「教科書理科」に子どもたちが興味を失ったことを「理科離れ」というのなら、むしろ歓迎するべきことかもしれません。

 

「理科離れ」危惧の背景には、資源の少ない日本が反映するには技術立国でいくしかない、科学技術の基礎となる理科の知識を子どもたちが身につけなければ、日本の国力低下はまぬがれないという危機感があります。

主に製造業を中心とする産業界にその危機意識が高いのですが、私はこの意見にはいくつかの点で賛同しかねます。

 

地球温暖化をはじめとする環境問題や、食糧問題、エネルギー問題など、数々の大テーマに取り組んでいくためにも「科学技術」は必須・不可欠の分野であることを疑う余地はありません。

しかし、いざ環境問題に取り組もうというときには、理科の知識ももちろん重要だが、それだけで解決できるものではないのです。

政治・経済・文化などあらゆる分野の知識を統合して理解し、思考し、判断し、行動することが大事ではないでしょうか。

 

「考える力」を養うことが、ますます重要性を増していると感じています。