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寺脇先生の教育論≪寺脇研先生の教育論≫【第13回】親と教師以外の大人との出会いは、子どもの「生きる力」を育むチャンス

憲法26条には「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」そして「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする」との規定があります。

これは大人全体に対して義務を課している規定で、「すべての子どもに教育を受ける権利があり、大人みんなはそれを保証する義務を負います」という意味です。

つまり、子どものある人もない人も、本来はみんなで子どもに教育を受けさせる努力をしなければならなりません。親だから、教師だから、ではなく、すべての大人が子どもたちの幸せを願い、立派に育ってほしいと思うこと。それは私たちが憲法でも謳っている基本理念なのです。

 

当たり前のことですが、大人は一人ひとりが違う人間で、得意不得手もあれば長所も欠点もあります。

それぞれの個性をもった大人が、一人ひとりの子どもをかかわっていく…そこから子どもたちは多様な人間とつきあうのはどういうことか、何かを学んでいくのではないのでしょうか。

ご飯を作ってくれる人、身の回りの世話をする人、勉強を教える人。そういう大人が子どもには必要ですが、他にもじっくり話を聞いてくれる人や別の世界を見せてくれる人など、さまざまな大人との出会いを通じて、子どもは「生きる力」を育むチャンスを得ています。

それらの役目をぜんぶ親と教師が引き受けようとするのは、子どもにとっても損なことのように思います。

 

ときに子どもから疎ましがられることもあるでしょう。こちらは親切に声をかけたつもりでも、相手から変なおじさんを見るような目つきでみられるかもしれません。

でも、思えば私たち大人が子どもだった頃も、大人たちが疎ましく思えたことがあったはずです。だから、どうかあきらめずに周囲の子どもに声をかけることから始めてほしいと思います。