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寺脇先生の教育論≪寺脇研先生の教育論≫【第12回】「地域で学校を支えるということとは」

昔の家庭は狭い長屋に家族がひしめきあって暮らしていましたが、だんだん豊かになるにつれて各自が個室をもつようになり、そのせいで家族の絆が薄れてしまいました。それと同じことが学校にもいえると思います。家庭にも家族のパブリックスペース、お茶の間が必要なように、地域にとってもお茶の間的な存在が必要です。

少子高齢化で学校がそのスペースを提供できるような条件が整ってきた今、みんなの税金で作った学校がそのスペースを提供するのは理に適っていると、私は思います。

 

日本の人口構成は急速に少子高齢化が進行しており、2020年には全人口の約3分の1が65歳以上のお年寄りになると想定されています。1955年には人口の約3分の1が15歳以下の子どもであったので、この50年から100年で、子どもが人口の3分の1だった社会から老人が人口3分の1である社会へ変貌していく、現在はその過程といえるでしょう。

そうなると、子どものために使っていたスペースを老人のために使うのは当然合理的であり、この流れはそういった意味からもますます広がっていくに違いありません。

 

ここで学校関係者に気をつけてほしいのは、学校に空きができたから他に「使わせてあげる」という意識をもってほしくないということです。学校が地域の核になるのではなく、地域の核に学校もいれていただく、という意識をもってほしいのです。

 

2001年6月8日、大阪教育大学附属池田小学校で犯人の侵入によって8名の児童の尊い命が奪われ、15名の児童と教師が刃物で傷つけられるという校内殺傷事件が起きました。確かにあのようなことがあると「学校関係者以外は立ち入り禁止」となりがちですが、本来学校は地域住民のものです。その認識のうえで、「子どもに危険が及ぶようなことをする人は入れません」というべきではないでしょうか。