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寺脇先生の教育論≪寺脇研先生の教育論≫【第9回】学校に教育のすべてを任せすぎていないか?

近頃学校に教育のすべてを任せすぎていないでしょうか。

学校の先生に、知育も体育も徳育も全部お任せします、というのは明らかに無理があると私は思っています。

本来、学校は知育を中心に担当し、体育と徳育は地域と家庭がやっていたのに、地域と家庭がサボって、すべてを学校に任せておけばいいという風潮になっていった結果が、今日のような子どもの学ぶ意欲や学力・体力の低下、問題行動、家庭と地域の教育力の低下といった課題となって表れているのではないでしょうか。

 

そもそも学校は、抽象的な概念しか教えることができません。先生が、「電車の中では、お年寄りに席を譲りましょう」と授業時間に話すことはできますが、子どもたちを引率して電車に乗せ、お年寄りに席を譲る体験をさせることは難しいでしょう。同様に、命の大切さを教えるにしても、教科書などを通じて概念として教えることはできても実際に生き物を大切にする経験をさせることはできません。お年寄りに席を譲って「ありがとう」といわれた、身近な人の死を通じて命の尊さに触れた、などという経験は、学校ではなかなかできないものです。家庭や地域で、子どもたちが日常的な体験を積んでいくなかで理解していくしかないのです。

 

私の考えは、地域ぐるみで子どもを育てるのが主流になるべきというものです。地域は、住宅自治会、町会、集落、校区内にある団体や企業、ボランティアグループ等あらゆる人間の集まりというのが対象となります。地域の皆さんと家庭と学校の三者で教育をつくっていくという方向です。

今のように国が学校をチェックするのではなく、地域が学校をチェックするということになります。ただ、時にとんでもない首長が現れないこともないので、第三者機関が数年に一度は監査する…イギリスの教育水準局の学校監査のようなイメージで進めるのが良いと思います。

 

英国教育水準局(OFSTED)

英国教育水準局(OFSTED:Office for Standards in Education)は、教育技能省から独立した政府機関(non-ministerial government department)であり、①教育機関の監査(学校監査及び地方教育部局監査)、②教育技能大臣への助言の2つを大きな役割としている。

教育(学校)法改正により1992年に設立され、現在は2005年に制定された教育法に、設立根拠がある。