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寺脇先生の教育論≪寺脇研先生の教育論≫【第4回】子どもが身につけるべき本当の学力

国際的な学力調査は2つあります。

 

ひとつは国際教育到達度評価学会(IEA)の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)。これは知識中心の、いいかえれば20世紀型の受験学力のテストで、日本は長く「世界一」の座を占めてきました。

もうひとつは経済開発機構(OECD)の学力到達度調査(PISA)。これは、豊かな国々であるOECD諸国(30ヵ国加盟)が、「TIMSS」で測られるような「詰め込み型」の20世紀的学力が時代に適合しなくなったという共通認識のもとに学力観の転換を目指して誕生させた、読解力や思考力に中心をおいた学力調査となります。

 

「PISA」は2000年度から始まり、3年おきに行われていますが、日本の成績はいずれも芳しくはありませんでした。

これはずっと「TIMSS」で測られるような「詰め込み的な学力」が高ければよいとされ、それに合わせた教育を行っていたのだから、ある意味当然の結果ではないでしょうか。

 

20世紀の日本社会で学力が高いと評価され、公務員などをして優遇されている大人たちは、その時代の教育を受けてうまくいったのだから、「TIMSS的学力」でいいと思ってしまい、「PISA的学力」の価値について考えない人もいるでしょう。

一方で、勉強は学生時代でもうたくさん、あとは自分のために働けばいい、国全体のことなど考えなくていいのだ、というような人たちも、「PISA的学力」を身につけなくていいと思っているのではないでしょうか。

 

つまり、子どもたちの未来にどんな学力が必要かではなく、自分たちに何が必要だったかを基準にしていたのでは、21世紀への展望は開けないのです。