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東大推薦入試導入について

3月15日に東京大学は、平成28年(2016年)度入試より後期日程試験を廃止し、推薦入試を導入する「学部入試方法の変更について」発表しました。

「入学試験の得点だけを意識した、視野の狭い受験勉強のみに意を注ぐ人よりも、学校の授業の内外で、自らの興味・関心を生かして幅広く学び、その過程で見出されるに違いない諸問題を関連づける広い視野、あるいは自らの問題意識を掘り下げて追究するための深い洞察力を真剣に獲得しようとする人を歓迎する」などとする東京大学のアドミッション・ポリシーをよりよく実現するためということです。

現在の東大後期日程試験といえば、100名の募集人員に対して毎年3000名前後の志願者が集まる狭き門ですよね。(今春は2908名/昨年は3224名でした。)前期日程の合格者を除いた志願者が募集人員に対して約5.0倍となった場合に大学入試センター試験成績で第1段階選抜が行われ、例年500名前後が後期日程の第1段階選抜に合格しています。

今年も前期合格発表と同じ3月10日に発表された第1段階選抜結果は、昨年より下がったとは言え、合格最低点は800点満点中707点(昨年は722点)。最高点は776点(昨年も776点)で平均723.34点(734.98点)ということで、やはりセンター試験は90%以上得点しなければなりませんでした。前期日程での合格者がを引かれるので、後期第1段階選抜の実質倍率は3倍程度と聞いたことがありますが、それでも大変な入試だと思います。

ちなみに 第1段階選抜合格者は第2次学力試験を受験するわけですが、センター試験がどれだけ得点できたとしても、最終的な合格判定は, 第2次学力試験の成績(300点満点)のみで行われます。募集要項では、総合科目Ⅰ~Ⅲは以下のように説明されています。

  • 総合科目Ⅰ:英語の読解力と記述力を見る。(英語読解・記述を通して,表現力,構成力などを審査する。)
  • 総合科目Ⅱ:事象の解析への数学の応用力を見る。(自然や社会のさまざまな事象を数学的に解析することを問う。ここで用いられる数学の知識は高等学校又は中等教育学校における数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学A・数学B(「数列」,「ベクトル」)・数学C(「行列とその応用」,「式と曲線」)にわたるが,この科目では数学の総合的な応用能力を審査する。)
  • 総合科目Ⅲ:文化,社会,科学等に関する問題について論述させ,理解力・思考力・表現力を見る。

これらの科目をそれぞれ120分、朝9:30に総合科目Ⅲがスタートして、総合科目科目Ⅰが終了するのは夕方18:00・・・間に長い休憩を挟みますが、教科を横断した高い学力だけでなく、体力的にも精神的にもタフさが求められる入試ですね。

この後期日程試験が廃止されて、推薦入試が行われるということです。

東京大学からは「推薦入試の基本的な枠組み」において、

  • 募集人員は100名程度(内訳は科類ごとに設定予定)
  • 各学校長が推薦できる推薦できる人数は、1~2名の予定
  • 教育課程履修に必要な基礎学力を備えていることを前提に、高校段階の学習成果や卓越した能力を積極的に評価
  • 出願書類、面接等の審査結果及び大学入試センター試験の成績によって総合的に評価し、合格者を決定
  • 志願者数が募集人員を大幅に上回る場合には、出願書類により第1段階選抜を実施

上記のように発表しています。

前述の通り、現在の後期日程入試はセンター試験も2次学力試験の成績も高いレベルが求められています。また、ある程度数字で合否の基準が明示されるので非常に分かりやすいともいえると思います。面接や書類選考というおそらく明示されないであろう基準が盛り込まれることに対しては、賛否もあるのではないでしょうか。

また、高い学力を持ちながらも、入学後学習意欲を維持できない大学生が少なくないことが問題視されています。これは私国立中学を受験する小学生や難関国私立高校や公立トップ校を受験する中学生も同じでしょうね。

入学直後は新しい生活に夢を膨らませ、モチベーションも非常に高いと思いますが、それを維持し続けることは大変難しいはずです。入学後も学校生活に中期的、短期的目標を見出せるように働きかけ、そしてモチベーションが下がっていたら上げる後押しをする、先生や子供たちにかかわる立場の人間の腕の見せ所だとも思います。